アクセスいただきありがとうございます。本年も残すところわずかとなりました。
今年の振り返りを大きくまとめてみました。
①2、4月、太陽光パネルのリサイクル処理施設見学とレポート作成
②4~8月、5年目に入った千葉県袖ヶ浦市での有機無農薬の米作り
③4~11月、酷暑と発電所除草作業の長期化/重労働化
④10月15日、第一太陽光発電所が運転開始10周年
⑤11月10日、こども教育支援財団シンポジウムで気候講演
①2、4月、太陽光パネルのリサイクル処理施設見学とレポート作成
SNS等においてメガソーラーを中心に近い将来の太陽光パネルの大量廃棄トラブルを想起させるネガティブ・キャンペーンが目に付くようになり、新聞、テレビなどのメディアでも関連報道がされるようになってきました。
そこで実態を知るべく、2024年2月1日に株式会社浜田の東京・京浜島エコロジセ ンターの太陽光パネルリサイクル施設を、2024年4月15日 に同社 京都PVリサイクルセンターを訪問し、ラインを見学させていただき、レクチャーを受けてきました。
この2回の見学機会をベースに「太陽電池パネルのリサイクル処理施設 見学レポート」を作成し、太陽光発電関係の仲間からも好評をいただきました。
詳しくは、こちらをご覧ください。
上記レポートP11に記載した「政策的課題」については、その後、環境省、資源エネルギー庁合同の「太陽光発電設備リサイクル制度小委員会」が2024年9月に創設され、議論が進んでいます。
②4~8月、5年目に入った千葉県袖ヶ浦市での有機無農薬の米作り
エコロジア第一太陽光発電所の近くに、横浜市在住のご夫妻と共同で0.4反の田んぼを借り受けて米作りを始め、5年目に入りました。
今年は前年に蒔いたヘアリーベッチを緑肥として有機肥料の減量とGNSS(GPS)制御の自動操舵田植え機を利用した省力化にチャレンジしました。4月17日に千葉県品種の「ふさおとめ」を植え、8月10日にバインダーで人力稲刈り、天日干し、8月14日にハーベスタで脱穀、籾摺りと約4か月間の農作業でした。今年もオモダカなどの雑草に悩まされましたが、前年に大きく落ち込んだ収量が4割以上回復し、145㎏穫れて2家族の1年分が確保できました。お米の小売価格が高騰した昨今、自給自足ができているのは大きなメリットです。また農作業を通じ、土や水、天候、土壌微生物や雑草を含めた動植物の生態系への理解、農業と温室効果ガス排出の関係、近隣でも農家の高齢化が進み離農や耕作放棄地が拡大している実態など、知識や経験を深めることができたのは、収穫に勝る特典です。
③4~11月、酷暑と発電所除草作業の長期化/重労働化
春先寒波の影響で桜の開花が3月末にずれ込むなどしたが、5月ごろより昨年同様か、それを上回る顕著な高温が11月上旬まで続きました。ただし、発電所のエリアは高温ながらも晴天続きというわけにはいかず、曇天の日も昨年より多くなり発電量は平年値よりダウンしてしまいました。こうした湿度が高く、高温が長期に続いたせいで、発電所構内の雑草の繁茂も異常で、刈っても刈ってもすぐに伸びてくるイタチごっことなりました。また酷暑による熱中症を避けるため、朝9時くらいまでが作業時間となり、かつては1日で1発電所の草刈りができていたところ、今は何回も分割せざるをえない状況となりました。雑草の繁茂量、作業回数、高温環境下といういくつもの条件の悪化で除草作業が重労働化しました。これも気候変動の影響で来年以降も憂鬱な気持ちになります。
④10月15日、第一太陽光発電所が運転開始10周年
10周年を記念して、永らく発行できていなかった「発電所だよりvol.08」を制作し、地元永地区の回覧板にも入れていただきました。
発電所だよりにも書きましたが、太陽光パネルの総数は240枚、10年間コツコツ積み重ねた総発電量は754,313kWh。大きな故障もなく順調に発電を続けています。発電を停止したのは、2019年9月の台風15号襲来時に東京電力が大規模停電したときの3日間と、停電を要する3回の定期点検で運転を止めた合計8時間程度です。
地球温暖化緩和のために再エネ3倍導入が国際的に求められていますが、そうした新規導入だけでなく、既設の弊社のような発電所が脱落せず、できるだけ長く延命して発電貢献することも非常に重要です。固定価格買取制度適用期間20年を超えても、メンテナンスをしっかりしながら長期発電できるよう心がけていきたいと考えています。
⑤11月10日、こども教育支援財団シンポジウムで気候講演
東京・明治記念館にて開催された、公益財団法人こども教育支援財団主催 環境教育シンポジウムにおいて、「地球沸騰化の時代と私たちの行動」というタイトルで講演を行いました。これまで50名程度のセミナールームでの講演は何度もありましたが、150人を超えるような聴衆のまえで講演するのは初めての経験でした。しかしながら、前半の表彰式の場で小学生低学年の子たちが壇上ではきはきと自分の作品を紹介したり、受賞の喜びを堂々と発表する姿をみて緊張感がほぐれました。
気候変動の対策が後手後手になってきた大人たちの責任を痛感しながら、目の前にいる感性豊かで環境意識の高いこどもたちに心からお詫びをしました。
こちらの講演も別ページで記事にしましたので、ぜひご覧ください。
世界中で異常な気象災害が多発し、連日のように報道されています。気候変動の影響がいよいよ誰の目にも明らかになってきたといえるこの1年だったのではないでしょうか。
しかしながら、11月の米国大統領選挙で当選したトランプ氏は「気候変動はでまかせ、いかさまを暴く」と公言し、パリ協定からの再離脱は確実だろうと報道されています。でまかせを証明できるならば、今すぐやるべきです。世界中の気候学者を相手に口先だけでなく、もしも本当にそういう証明ができたなら、世界各国の莫大な対策費や補償費は不要ということになり、ノーベル賞を受賞できる業績になると言われています。こういう騒動の間にも、最大級のハリケーンが連続して襲来するなど、気候災害は米国民にも容赦なく襲い掛かっています。民主党政権の物価高対策やハリケーン後の復旧支援等がうまくいかなかったことで、米国民の不満感が最高潮に高まったのがトランプ当選の要因でしょう。"Drill, baby, Drill"といって化石燃料産業を喜ばせ、つかの間の幻想的繁栄を目指す先には、とてつもないしっぺ返しが待っているように思います。
そうしたなかでの希望は、アゼルバイジャンで開催されたCOP29 で、アメリカの11州、356自治体、企業2948社を含む5,000を超える非国家アクターが参加する連合「AMERICA IS ALL IN」で「ネットゼロを達成する数十年の間には、何度も大統領が変わるだろう。たとえそのたびに政策が変わるとしても、私たちが方針を変えることはない。私たちはただ自らが決めたネットゼロ目標に向かって、確実に歩みを進めるだけだ」という力強い声明を出してくれたことです。⇒記事
今後も、落胆したりひるんだりすることなく気候変動対策を進めていこうと思います。
Seventh generation(7世代先)の子供達から預かっているかけがえのない地球をきちんと引き継げるように。
来年もよろしくお願いします。